修繕積立金の目安額の見方
|ガイドラインの「㎡あたり単価」で計算する

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国土交通省の修繕積立金ガイドラインは、目安を1戸あたりではなく「専有床面積1㎡あたりの月額」で示しています。階数と延床面積で分かれた目安額の表の読み方、自分の住戸の金額への換算、機械式駐車場の加算、長期修繕計画の平均額との比べ方を、計算例つきで解説します。

目安額は「1戸あたり」ではなく「㎡あたり」

修繕積立金の相場を調べると「月1万円台」のように1戸あたりの金額で語られることが多いですが、 国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、目安を専有床面積1㎡あたりの月額(円/㎡・月)で示しています。 同じマンションでも住戸の広さによって負担額が変わるため、広さで割った単価で比べるほうが公平だからです。

この目安は、実際に作成された長期修繕計画の事例をもとに、計画期間全体で必要な積立金を均等に積み立てた場合の平均額として算出されています。 今月の積立額ではなく、計画期間全体をならした額だという点が、読み方のポイントです。

ガイドラインの目安額の表

目安は、建物の階数と建築延床面積で区分されています。機械式駐車場の分は含まれていません(後述の加算額で別に足します)。

修繕積立金の額の目安(機械式駐車場を除く)
階数・建築延床面積 平均値 事例の3分の2が包含される幅
20階未満・5,000㎡未満 335円/㎡・月 235〜430円/㎡・月
20階未満・5,000㎡以上10,000㎡未満 252円/㎡・月 170〜320円/㎡・月
20階未満・10,000㎡以上20,000㎡未満 271円/㎡・月 200〜330円/㎡・月
20階未満・20,000㎡以上 255円/㎡・月 190〜325円/㎡・月
20階以上 338円/㎡・月 240〜410円/㎡・月

小規模なマンションほど単価が高いのは、エレベーターや外壁など共用部分の工事費を、少ない床面積で負担することになるためです。 20階以上の超高層マンションは、特殊な足場が必要になるなど工事費が高くなりやすいため、別の区分になっています。

「平均値」だけでなく「幅」が示されている点も大切です。 幅の下限を大きく下回る場合は、計画の工事費が少なく見積もられていないか、確認する価値があります。

自分の住戸の金額に換算する

㎡あたりの目安に、自分の住戸の専有面積を掛けると、1戸あたりの月額の目安になります。

計算例:地上10階・建築延床面積4,800㎡のマンションで、専有面積70㎡の住戸の場合
区分は「20階未満・5,000㎡未満」
平均値:335円 × 70㎡ = 月23,450円
幅:235円 × 70㎡ = 16,450円 〜 430円 × 70㎡ = 30,100円

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、修繕積立金の平均は1戸あたり月13,054円でした。 規模や築年数が違うので単純には比べられませんが、ガイドラインの目安と比べると、多くのマンションで積立金が低めに設定されている可能性がうかがえます。

機械式駐車場がある場合は加算する

機械式駐車場は装置の入れ替えなどに大きな費用がかかるため、目安とは別に加算します。 加算額は、機種ごとに示された1台あたりの月額の修繕工事費に台数を掛け、総専有床面積で割って求めます。

加算額(円/㎡・月)= 1台あたりの修繕工事費(円/台・月)× 台数 ÷ 総専有床面積

計算例:2段(ピット1段)昇降式(1台あたり月6,450円)が20台、総専有床面積4,000㎡の場合
6,450円 × 20台 ÷ 4,000㎡ = 約32円/㎡・月 を目安に加算

1台あたりの単価は、昇降式・横行昇降式・エレベーター方式など機種によって異なります。自分のマンションの機種の単価は、ガイドライン本文で確認してください。

長期修繕計画の「平均額」と比べる

ガイドラインの目安と比べるのは、今月の積立額ではなく、長期修繕計画の計画期間全体の平均額です。 平均額は、次の式で計算します。

平均額(円/㎡・月)=(計画期間全体で集める修繕積立金の総額 + 計画期間当初の積立金残高 + 計画期間全体の専用使用料等からの繰入額)÷ 総専有床面積 ÷ 計画期間の月数

段階増額積立方式で今の積立額が低くても、計画期間全体の平均額が目安の幅に入っていれば、計画上は必要な額を集める前提になっています。 ただし、その前提は「予定どおりに値上げできること」です。値上げ幅の目安については 段階増額積立方式の引上げ幅の目安の記事で解説しています。

また、管理計画認定制度では「計画期間全体での修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと」が基準の一つで、このガイドラインの目安がその判断に使われます。

目安を使うときの注意点

RE:PLANでできること

長期修繕計画クラウド RE:PLANでは、国土交通省の長期修繕計画標準様式に沿って修繕工事計画と修繕積立金を設定し、計画期間全体の収支を収支表・収支グラフで確認できます。 住居タイプごとの負担割合も設定できるので、住戸ごとの積立額の検討にも使えます。 計画を複製して積立額を変えた案を作り、目安と比べながら見直すこともできます。

長期修繕計画の機能を見る

まとめ

修繕積立金ガイドラインの目安は、階数と延床面積ごとの「㎡あたり月額」で示されています。 自分の住戸の面積を掛けて月額に換算し、機械式駐車場があれば加算したうえで、長期修繕計画の計画期間全体の平均額と比べてみてください。 目安の幅から大きく外れている場合は、計画を見直すきっかけになります。

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出典・参考
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」、同「令和5年度マンション総合調査」
横浜市 マンションの修繕積立金について
計算例は説明のための仮の数値です。目安額・加算単価は改定されることがあります。最新の値は国土交通省のガイドライン本文でご確認ください。

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